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 「京都大学高校生フォーラム in TOKYO ―松沢哲郎教授講演会―」感想文コンクールにて最優秀賞受賞!

 去る11月22日(木)に、有楽町朝日ホールにて「京都大学高校生フォーラム in TOKYO ―松沢哲郎教授講演会―」が開催され、本校生徒13名が参加しました。
 後日、参加生徒に感想文を書いてもらい、講演会の感想文コンクールに応募したところ、高校2年の太田紘一君が見事最優秀賞を受賞。本日1月25日(金)、京都大学東京オフィス(品川)にて表彰式が行われました。
 京都大学総長松本紘先生より、賞状と副賞「そうだ京大、行こう。」(一泊二日パッケージ旅行)が授与されました。春休みに京大の研究室訪問、総合博物館や時計台記念館の見学、一般非公開の寺院訪問等にご招待いただけるとのこと。羨ましい限りです。太田君、おめでとう! (理科引率教員)


京都大学総長松本紘先生との記念写真


京都大学総長松本先生より賞状と副賞の授与


受賞者記念写真。最優秀賞受賞者は5名。受賞者はほとんど女子でした。


松本先生との懇談。貴重な時間をいただきました。


今更ですが、11月22日の松沢哲郎教授講演会後の集合写真

【太田紘一君の感想文全文】
 人間とは何なのか―私はこの問いについて何度考えたでしょうか。二足歩行、思想を有すること、ものを作ること…これが私の答えでした。しかし、松沢先生の答えは予想に反して、具体的で、私は一瞬信じることができませんでした。その答えは、あお向け、おばあさん、教育、言葉、そして「想像するちから」のあること―これらがヒトをヒトたらしめていると先生はおっしゃいました。私は講演の後、ある疑問を抱きました。ヒトはなぜ文明を築くことができたのか―私は、帰り道から、先生の講演と重ね合わせながら、答えを探し続け、二つの理由に至りました。
 一つ目は声を用いたコミュニケーションの発達です。母親と子どもの間にできた距離によってヒトはあおむけになることができるようになり、声を用いた対面コミュニケーションにつながった、ということです。私は、これがさらなる高度な言葉のやりとりを可能にしたと考えます。なぜなら、乳児のときから泣き声で情報を伝える必要があるからです。このことが、発音機能を発達させ、複雑な発音を可能にし、多くのものを表現できるようになって、世代を超えたあらゆる技術の発達に至ったと思います。
 もう一つは子育ての方法です。ヒトという種は、あえて子どもに積極的に干渉し、手をかけて育ててきましたが、なぜチンパンジーの「教え方」と違って手間のかかる方法を選んだのでしょうか?もしかすると、ヒトは子どもが自分を超えること、大きく言うと子孫が自分の世代より高度な文明を築いていくことへの期待が本能的に備わっているのかもしれません。だからこそ、自分の今持っている知識を早く学んでほしいがために、私は、教育ということを始めたのだと思います。
 しかしながら、二つの理由に共通している根元は、やはり「想像するちから」ではないのでしょうか。ヒトは、見えないものを表したり、子どもや子孫の未来を考えたりすることで、言葉や教育が発達していきました。ヒトはこの「想像するちから」を得たことで、幅広く、長い期間で物事を考え続け、文明をここまで発展させていったに違いありません。講演の最後、先生は私たちに向かってこうおっしゃいました。「想像するちから」があるからこそ、ヒトは絶望し、希望をもつことができる―このメッセージは、私の中に強い印象を残しました。今の私の中にある感情や理性は、ヒトという種の進化の過程を経て、自分の中に刻まれているということを知り、深い感銘を受けました。松沢先生、本当にありがとうございました。


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