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 第3回数学科リレー講座「複素数の世界」2日目

リレー講座「複素数の世界」。初日の昨日は複素数を概観し、複素数平面にまで至りました。
複素数平面を導入せんとすれば、極形式の話は欠かせません。そのためには三角関数を学ぶ必要があります。この三角関数、高校生はすでに学んでいるものの、中学生には未知の話題です。
そこで、この日は三角比からスタート。担当は北村先生(写真1)です。
「いやはや、(中1と中2向けに)ピタゴラスの定理から話すとなると思いやられますよ」と思案顔だった同先生。しかし、意欲ある彼らに対しては杞憂でありました。
昨日同様、平易な導入(3:4:5の直角三角形を利用した三角比の計算・写真2)に始まり、徐々にステップアップ(写真3)。このスムーズな展開と、温和な北村先生のキャラクターとが相俟れば、なるほど未知の内容を、それも決してゆっくりとは言えない進み具合で習っているのにも関わらず、心配顔の生徒が皆無なのも納得です。
終盤、“大物”である加法定理が登場(写真4)。北村先生曰く、「この定理の証明を扱わなかったことをはじめ、今日はなにを話して、なにを話さずにすませるか、その判断を最後まで決めかねていたのです。結果、断腸の思いで、多くの点において、計算例の紹介にとどめました」。編集子はこの判断が奏功したとみます。だからこそ初学者にとっても三角関数の計算に手がついたのでしょう(写真5)。
何を以って幹と考え、そしてまた何を以って枝葉と考え、勇気を持って切り落とすか−この種の講座のみならず、日々の数学の授業にて、担当者は常にこの点で葛藤していると思召せ。
ともあれ、明日は前半戦のハイライトである「ドモワブルの定理」の登場です。(数学科)


(写真1)


(写真2)


(写真3)


(写真4)


(写真5)

 【参加者の声】
中3 伊得友翔君
三角比という用語を耳にしたことはあったのですが、習ったのは全くの初めてです。丁寧に話してもらえたのでよく理解できました。
(編集子の残り10分の時点で三角関数を定義されたけれど、どうでしたか?に対し)三角比を拡張しようとすればあのようになるのは自然に思いますので違和感はないです。やっておくように指示された練習問題を解いて明日の授業を楽しみに待ちます。


 【授業をしてみて】
2日目は三角比、三角関数の話をしました。
「複素数の世界」をこれからより深く味わうための準備として、三角比、三角関数をまったく知らない中学生に向けて一から授業を行いました。
見慣れない記号や公式が多いため、苦手意識を持ってしまいやすい分野ですが、そうなることがないように、導入部分を丁寧に行うことを心がけました。
みんなしっかり取り組んでくれたことをうれしく思います。 
   (北村亮太)

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