校長のメッセージ

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和田 征士

平成16年10月15日

《 修学旅行期間 》

 高等学校2年生

九州への旅

旅程 高校は二隊に分かれ一日違いで出発し同じ場所を訪れました。

第一日 羽田発航空機利用 鹿児島空港着 鹿児島市内見学 鹿児島市内泊

第二日 鹿児島港発 船舶利用屋久島宮之浦港着
午後三コースに分かれ島内見学
Aコース 紀元杉 屋久杉自然館等見学
Bコース 大川の滝 海中展望船利用 見学
Cコース 白谷口原生林歩道 

第三日 コース別に行動
Aコース 縄文杉まで登山
Bコース 楠川歩道 もののけ姫の森 ガジュマル園 等歩き
Cコース 種子島に船で渡り島内見学 
夜、地域との交流会

第四日 屋久島千尋の滝 環境文化村センター 屋久島観光センターを訪問し 屋久島宮之浦港発
      船舶利用 鹿児島港着 鹿児島県 国分に宿泊

第五日 桜島経由 磯庭園 知覧武家屋敷 知覧特攻平和資料館等見学後 指宿泊

第六日 開聞岳 長崎鼻 唐船峡公園等を経て 鹿児島空港発 航空機利用 羽田着解散

上記は第一隊のコースですが、第二隊はコース内容は同じですが、 日程の入れ替えがあります。また、台風24号が温帯低気圧に変わりましたが、その影響で、若干の行程変更がありました。しかし、10月24日から30日の間で無事終わることが出来ました。

中学校3年生

京都・奈良・神戸の旅 高2と同じ期間に修学旅行に行きました。

第1日 
東京駅 新幹線利用 京都駅下車 近鉄特急に乗り換え大和八木駅下車 亀石にバスで移動しそこを本部にしてレンタサイクルを利用して明日香 自主研修 多武峰泊

第2日 コース別行動
Aコース 法隆寺 奈良公園 東大寺諸伽藍 興福寺
Bコース 法隆寺 新薬師寺 春日大社 若草山 東大寺諸伽藍
Cコース 法隆寺 薬師寺 奈良公園 若草山 東大寺諸伽藍

京都に移動して京都泊

第3日 終日班別自主研修京都

第4日 午前4コース 
1大原と南禅寺
2京都御所と大徳寺
3宇治平等院と醍醐寺
4嵯峨野トロッコ列車と天竜寺

午後 橋の科学館 舞子海上プロムナード 孫中山記念館 等を見学 神戸泊

第5日 人と防災未来センター 神戸港 船で神戸港巡り その後3時間程度の自主研修 新神戸駅から新幹線で帰京

写真1  1日目 明日香研修、サイクリング出発

写真2  1日目 明日香研修、橘寺で一休み

写真3  1日目 夕食

写真4 4 2日目 コース1 二月堂から展望

写真5 5 2日目 ホテル帰着後 ロビーにて班長会議

写真6 6 2日目 夕食

写真7 7 4日目 コース1 大原 三千院前

写真8 8 4日目 コース1 南禅寺で座禅を組む 生徒には緊張の表情が

写真9 9 4日目 神戸 舞子公園

写真1010 新神戸オリエンタルホテルでの夕食バイキング

《 中学校校外研修 》

 高等学校・中学校それぞれの修学旅行期間中の10月27日に日帰りの1日校外研修を実施しました。

中学校1年生

横浜に出かけました。バスを利用し、学校に集合して学校から出発し、解散は、新宿駅西口解散で実施しました。
内容は、横浜中華街で中華料理体験学習と中華料理食事 中華街散策 横浜美術館見学 等を行いました。

中学校2年生

新宿駅西口集合・解散でバスにより移動して都内見学を行いました。クラスにより少しずつ異なります。どのクラスもお台場海浜公園周辺で昼食をとりました。行き先を挙げてみます。東京証券取引所 皇居前広場 江戸東京博物館 国会議事堂 等を見学し、バスで移動中に都内の要所を車窓から見学しました。

 以上の校外行事が10月24日から1週間の間に集中して実施されました。

《 屋久島に同行して 》

 私は10月26日から3日間の日程で、高校の修学旅行の屋久島に行き、第一隊の生徒とともに行動しました。縄文杉は是非見たかったのですが、往復徒歩で11時間はかかると言うことを聞いて高校生と一緒ではとてもかなわないと思いそのコースに参加するのは諦めて、別のコースに参加しました。

 その日は生憎の雨でした。にもかかわらず、予めコース希望者を募って人数を調整していましたが、縄文杉コースにはとても多くの生徒が参加しました。林芙美子が屋久島に滞在したとき、屋久島は一ヶ月に三五日雨が降ると表現したそうで、屋久島で出会った何人かの人からこの言葉を聞きました。年間雨量が八〇〇〇ミリを超え、東京の約三倍の雨量があります。最高峰の宮之浦岳は、1936メートルあり、九州でも一番ノッポで、屋久島の中で山々が重なり山岳地帯を形成しています。頂上に近いあたりは亜寒帯気候を呈しています。そのため、海岸では雨が降っていなくても、山岳地帯には降ることが多いと言うことが頷けました。

 そのような事情は事前に生徒によく伝わっていたと見えて、全員がカッパを準備していました。朝、5時出発の予定に混乱もなく出かけていきました。行動中、一時は相当な強い降りがあったようですが、黙々と歩いたためか、予定していた時間より1時間以上早くホテルに帰ってきました。全員無事帰ってきたことにほっとしました。

東京に住んでいるとそれほど感じなかったことでありますが、屋久島で感じたことは、自然が示す強大な力をどう受け止めたらいいのかということでした。第一隊が次の日に縄文杉に登山するという前日に、台風24号が宮古島の北方の海で温帯低気圧に変わりました。その低気圧が縄文杉登山の日の夕方、屋久島の南方を通過するという予報でした。雨が多いという屋久島では、少しの雨に怯んでいるようでは、何の行動も起こし得ないことは確かです。

 生徒15人に一人の割合で付き添う屋久島のガイドの判断を頼っての出発でした。

 また、同じ日種子島に渡るコースは、中止にしました。わずか1時間で渡れる船ですが、帰りの予定の船は欠航になりました。

 両コースとも判断が良かったという結果になりました。

 自然の力を受け容れるしか術のないことを体験しました。自然には強大な力があることを知るのも大切なことだと実感しました。

 私が帰京してあくる晩は満月でありました。晩秋の明るい月夜でした。2日前は十三夜でした。古くは晩秋の月を眺めながら、この秋の実りの幸せを噛み締めるときであったと思います。現代は月が明るいと実感できる環境も失われてきているようです。

 小学生の半数が、太陽の周りを地球が巡っていることを知らないとある調査が報じています。

 月の明るい夜の味わいを感ずる状況に触れ、自然の強大さを感ずる体験を若い頭脳に与えることも親の役割ではなかろうかかと思うのです。

写真1  紀元杉の樹の近くは薄暗かった

写真2  霧の中の紀元杉・推定樹齢3000年

写真3  雨もやんで

写真4  雨に打たれる野生のニホンザル

写真5  の滝

写真6  白谷雲水峡入り口の小屋

写真7  ガジュマル園

写真8  縄文杉を目指して朝5時出発だ