校長のメッセージ 37 和田 征士 平成16年 4月13日
《 中学校アメリカ研修 》

 3月の終業式が終わった翌日に出発して3月20日から4月1日まで中学生30名がアメリカ研修を行いました。今回私も一部同行しましたのでその様子をご紹介します。


  今回のアメリカ研修は、過去2年間にわたり、9、11同時多発テロの発生により、航空機等利用の海外旅行の危険が増大したため、中止のやむなきに至っておりました。不安要素が払拭されたわけではありませんでしたが実施することに踏み切り、平成15年5月に生徒・保護者に実施に関する説明会を行ったことを皮切りに準備を進めてきました。
  最初の説明会を実施するころは、イラク戦争が終わった直後で、先の見通しがはっきり立たない時期でありましたから、移動に関してできるだけ危険を避ける観点と、以前まで実施していたワシントンDCに行くことと、ワシントン空港利用も取りやめました。その代わりとして、カナダのケベック市訪問と、日帰りのボストン見学を採用する事にしました。また、乗り換えの飛行場として、シカゴ経由に変更しました。
  危険を回避するための最大限の工夫をした上で、実施に向けて準備を進めて参りました。こうして無事に帰った現在から思い返してみますと、それほどの必要がなかったようにも思いますが、2年間にわたり中止せざるを得なかったことを考えますと、必要な措置だったと考えています。

 バーモント州、セントジョンズベリー アカデミー校は、学校と同じ名前の町にある私立学校です。ニューヨークよりずっと北、カナダ国境に近い小さな町にあります。シカゴ空港で乗り換えて約2時間北に飛びバーリントン空港に到着してそこから車で1時間余走ったところです。
  気候は東京よりかなり寒く、3月20日に到着したころは、残雪があちこちに沢山ありました。

 大歓迎を受ける


  これまで10年以上にわたるおつきあいの実績がある上に、2年間のブランクの後の再開ということもあり、到着した時から大歓迎を受けました。
  今回は、フェアウェル パーティーでお礼の出し物として、民謡の「よさこいソーラン」おどりと「獅子舞」の2種類の日本の伝統芸能を30名が手分けをして、事前準備をして出かけました。よさこいソーランの踊りは、踊る人が「法被」を準備し、獅子舞では、音楽科講師の鈴木先生のご厚意で、「獅子頭」を借用して持参したほか、横笛、太鼓等も持参し、演技は両方とも素晴らしく上達したものでした。そういうものが準備されているとの情報が事前に伝わり、パーティーの席には、地元の新聞社の取材もありました。
  滞在期間は以前と同じ長さでしたが、ワシントンDC見学を取り止めたため、その分ホームステイが長くなりました。
  セントジョンズベリー アカデミー校では、毎朝生徒全員の朝礼がありますが、校長先生のお話にも何回か取り上げられましたし、生徒の名前が全員分漢字で大書され、講堂(チャペル)の前方に滞在中、ずっと掲げられていました。
フェアウェル パーティーには、先方の理事長先生初め、学校の理事の方も多く見え、盛大で素晴らしい雰囲気で行われました。
先方生徒がホストスチューデントになり、その家庭に一人ずつ本校生が宿泊して学校に通い、その生徒の授業を一緒に受けるかたちをとります。四六時中一緒ですから、その期間は英語づけになりますし、アメリカの家庭生活が体験できる極めて整った環境が準備されています。
  たった二週間の滞在なのに、このままセントジョンズベリーに残りたいと漏らす生徒が何人も出るほどでした。

セントジョンズベリー アカデミー校


セントジョンズベリー アカデミー校は、1842年に、フェアバンクス3兄弟によって創立された歴史のある学校です。フェアバンクス3兄弟は、「秤(はかり)」のある形を発明し、当地に工場を建設して秤を制作して全米に販売した大富豪だそうです。

写真1 残雪のあるセントジョンズベリー町郊外、 メープルシロップ採集林
写真2 校内アーツ センター前で ロベット校長先生と和田
写真3 ボストン ハーバード大学見学 引率者とカミングス先生
写真4 ボストン美術館見学
写真5 全員朝礼でよさこいソーランの踊り披露
写真6 よさこいソーランの踊りに見入るSt.J校生徒
写真7 引率渡辺先生と本間先生による授業風景
写真8 引率渡辺先生と本間先生による授業風景 筆を用いる
写真9 引率渡辺先生と本間先生による授業風景
写真10 フェアウェル パーティーで挨拶する ロベット校長先生
写真11 フェアウェル パーティー 盛り上がった出し物
写真12 海城校歌披露 フェアウェル パーティー
写真13 フェアウェル パーティー お礼と最後のお別れ
写真14 ロベット校長先生とプロジェクト関係者