校長のメッセージ  17 和田 征士 平成15年 5月 1日
《 入試問題に込められたメッセージー4(理科) 》
 これまで三回にわたり、社会科、国語、数学と入試問題を取り上げて問題作成の意図等について述べてきました。今回は最終回になります。理科についても二問取り上げました。
 入試第一回目の第二問と第三問を取り上げました。化学分野と生物分野を中心にした問題です。問題を作成した理科主任からそれぞれの問題に対してコメントを貰いましたので、以下に記します。

理科入試問題の一部.pdf(著作権の関係上公開できません)

 1問目について(化学分野)
〈理科は暗記科目だと思われがちです。しかし身の回りには理科の要素を含んだ社会問題や環境問題がたくさんあります。いろいろなことに目を向けることによって、自ら解決方法を考えたり、問題提起ができるようになって貰いたいと思っています。
 この問題には、自動車の燃料のことについて取り上げました。ニュースやテレビのCMを見ていると、環境に優しいといわれる車や燃料についての話題がよく出てきます。これから成長していく子どもたちに、自分が関わるであろうエネルギー問題についてどれだけ意識があるかを見てみたかったということがあります。
 ただし、環境に意識があっても、知っておいて欲しい知識があります。そのような内容は織り込んだつもりです。〉

 2問目について(生物分野)
〈理科を学習していく上で、理科的な基礎知識も重要ですが、理科的なものの考え方も大切です。そこでこの問題でも、基本的な知識問題と考えて解く問題の両方を出題しました。知識だけなら暗記だけでも身につけることはできるでしょうが、それだけでは理科を好きにはなれません。ある程度の知識を踏まえた上でマニュアルどおりの実験ができるだけでなく、さらに自分で考えて、マニュアルにない実験を自分で考えることができる、そういう人間を求めたいと思います。また、入学後の学校教育でもそれを目指しています。
 以上のような理由から、今回の問4では、実験方法を聞く問題を出題しました。また、実験の解析方法を考える、ということで、問5,6のような問題も出題しました。〉

 以上4回にわたって「入試問題に込められた学校からのメッセージ」を載せました。このシリーズは今回で終了します。