校長のメッセージ  2 和田 征士 平成14年 9月17日
 本校の文化祭である海城祭が近づいてきました。9月21日(土)と22日(日)は一般公開も行いますので、どうぞおいでください。生徒は通常の時には教科の学習に力を入れ、緊張した毎日を送っていますが、この2日間は、生徒自身の企画運営による海城祭で、どういう姿を皆さんに見せるでしょうか。学校のあり方がトータルでご理解頂ける機会ではないかと思います。

中学生TVフォーラム
 9月3日付けのこの欄に、「中学生TVフォーラム」 のことを載せましたが、NHKの都合により、放映日が早められましたので、本校ホームページのトピックス欄ですでにお知らせいたしました。今後再放送の予定もあるようですから、決まりましたら、ホームページにお知らせが載ると思います。
将来役立つ本校での総合的な学習の時間
 今年のフォーラムのテーマは、第1部「中学生の主張・テレビへの提言」、第2部「青少年のためにテレビは何をすべきか」でありました。
 これをご覧頂いた方にはお分かりと思いますが、本校の生徒は纏まった考えを述べています。それは、本校が長年取り組んできた授業の成果がこの場面で発揮されたのではないかと私は感じました。
 本校では、中学校1年生から3年生まで、社会科の授業の一環として、週当たり2時限分を充てて、課題学習を行ってきております。実施するようになって、既に10年余になります。生徒は自分の興味・関心に応じて、課題を選択し、または課題を選びそれについて多様な方法を駆使して調査を展開します。調査の方法にはその課題についてよく知っているエキスパートに取材する方法もあります。その場合には、先方のアポイントを取ることから始める必要があります。先生の手助けを受けながら、そのことを進めていきます。取材が初期の目的を果たせると生徒は何とも言えない達成感を味わうようです。勿論その課題について書いてある文書・文献にもあたります。また、インターネットを使えるようになると、インターネットを通じて検索できるようにもなります。
 ただ、この学習は、必ず纏めるようにしています。レポートに纏め、1つの論文として完成させて先生に提出します。場合によっては、みんなの前で発表します。中学3年の時には、「卒業論文」としてしっかり纏め、印刷にします。それを読むと、こんなにしっかりした文章が書けるのかとびっくりするような論文が数多くあります。
 中学校では今年度(平成14年度)から、高等学校では来年度から総合的な学習の時間として全ての生徒が履修することになりました新設の学習があります。その学習のねらいは、「自ら課題に気づき、それについて調べ、纏めて発表する。または、調べたことを人にわかりやすく説明する。」能力が備わることが必要であるとしています。中央教育審議会がこういうねらいの学習が必要であるとした背景は、次のように考えられています。これまで、より多くのことを「知っている・覚えている」ことが学習の最大の目的のように考えられていました。しかし、上に挙げた「ねらい」のような能力が人が生きていく上では、とても大事であると考えられるようになった結果が反映されています。
 本校では、学習指導要領が発表されるずっと以前から、このことの大事さに気づき授業で実践してきています。
 このこと一つ取り上げても、本校の先生方が、生徒のためには、何が必要か、また、授業を大切に思う心構えが常に備わっている証しであると私は考えています。
中身充実への意気込み
 本校は、宣伝が下手であると、外部の方からご指摘を頂くことがあります。それは、校内に漂っている生徒と先生の間の学習への一種の緊張感とお互いの信頼関係が外に向けて多くを発信する必要が無いとの判断がそこに働いたものと思われます。
 今回は以上ですが、月に2回のペースで、気づいたことをここに載せていくつもりです。有り難うございました。