第3回 中学校2年 英語 聴く・話すから読む・書くへつなげる
                    大松達知(おおまつ たつはる)先生
海城の教育を支えているのは先生方の力が大きいと思っています。今回は英語の大松先生が登場します。



大松達知 先生

プロフィール

昭和45年生

短歌がお好きで、しょっちゅう雑誌に先生の作品が載ります。
先日は国語の先生に頼まれて短歌の授業をしました。またいつか、先生の授業で短歌の話が聞けるかも知れません。

校長が見た 海城の英語
 

本校では、中1から中3まで、〈英語〉は週6時間のうち5時間を日本人教員が、1時間を外国人教員が(クラスを2分割して)担当しています。配当時間数が十分にあるので、各教員の工夫によって深く濃い内容を扱うことが可能になっています。例えば、頻繁な小テストに加えて、リスニング教材やNHK新基礎英語の確認テスト、英語の歌や新聞などの生の教材、その他単元に合わせての自作のプリントなどを使用して授業を展開しています。(それでも、中2のうちには中3の教科書を終えるゆとりがあります。)

 
クイズで始まる中2英語授業
 

今回の授業でも、はじめの10分ほどはリスニングの練習に当てら、日本文化に関する英語クイズをやっていました。生徒たちは真剣に、かつリラックスして耳を傾けていたようです。この小さな積み重ねがあとになって大きな効果をあらわすようです。

 その後、教科書の音読・解説に入りました。英文を読むときの強弱の付け方や意味の切れ目を強調して、わかりやすく指導されていました。近年、国語教育の分野でも音読が見直されていますが、英語教育ではなおさら音声を強調した指導がなされているように感じました。また、今回は文化的にはアメリカの公民権運動で活躍したキング牧師が章のテーマでしたので、担当者の用意したキング牧師の演説の生の音声を聞き取って繰り返すということも行われていました。

 
 
業の進め方 耳で育てる英語の実力

 わからないところがあっても、なるべく本物の英語に触れさせていこうという試みは、生徒をよく刺激するようです。(授業の後で、生徒たちが牧師の口真似でリズミカルに“I have a dream that one da y… ”と言っていたのは、英語が〈勉強〉というよりももっと自然に身体に入り込みつつあることを示すかもしれません。)

授業の後半は、文法事項をまとめたプリントを使っての解説と練習問題の演習でした。The language spoken in Mexico is Spanish. など、過去分詞が名詞を修飾するという少々ややこしい文の形でしたが、英文に書き込みを入れながら、焦点をしぼって、とても理解しやすく工夫された解説になっていました。

外国語学習の4つの要素(聴く・話す(音読する)・読む・書く)がバランスよくまとめられ、また文化的な内容を縦糸に、文法・語彙などの内容を横糸にして、複眼的に英語に親しみ、力を付けてゆける授業だと実感しました。

生徒の反応

生徒のコメント 中学2年3組 深澤 航君

 毎回、教科書以外にも色々なことをやるので、いつもあっという間に時間が過ぎてしまいます。授業はただ聴いているというよりも、声を出すことが多く、参加している感じです。その中でも大切なところは何度も繰り返し練習して身に付くようになっていると思います。