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 第3回数学科リレー講座「複素数の世界」6日目

リレー講座の最終日。6日目の今日は「オイラーの公式」と「代数学の基本定理」の2本立てで盛りだくさんです。どちらのテーマも厳密に話を進めていくのは高校生でも大変なことなので、定理の内容の紹介と、その意味するところを感じ取ってもらうことを目標としました。
オイラーの公式とは「e^iπ = -1」というものです。数年前「博士の愛した数式」という小説や映画でも取り上げられ、割とよく知られている公式です。自然対数の底e、円周率π、虚数単位i、そしてマイナスが付いていますが、数の基本である1。これらが結びつき簡潔な式にまとまっているところに、美しさを感じ惹かれてしまいます。ですが、見た目には簡潔な式ですが、いざ、この式が表すことを説明しようとするとものすごく大変なことで、しかも、複素数に触れたのが5日前!という中学生に対しては、何を強調して伝えればいいか悩むところでした。(これはもう1つのテーマの代数学の基本定理でも同じです。)
まず、指数法則を複素数まで拡張していくとき、e^iθをどのように定義すればよいのかがポイントであることを強調して、e^iθのもっている指数法則が3日目のド・モアブルの定理によく似ていることに気づいてもらいます。そして、e^iθ = cosθ+i sinθ であることを実感する、という流れで行いました(写真1)。
e^iθ = cosθ+i sinθという関係式を認めてしまえば、オイラーの公式は単にθ=πと代入しただけなのですが、実は、この関係式は2つめのテーマの代数学の基本定理の話にも登場します。
代数学の基本定理とは「n次方程式は必ず複素数に解をもつ」というものです。1次方程式を習ったばかりの中学1年生では何がスゴイ定理なのかわかりにくいかもしれませんが、2次方程式を実数の範囲で考えると解なしの可能性があることを知っていれば、その意味も見えてくると思います。方程式 f(z)=0 が解をもつ、ということを実感することをメインにしたので、実際に複素平面上で関数 w=f(z) がどのような振る舞いをするのかをパソコンを使って見てもらいました(写真2)。
変数zが半径rの円(写真では黄色い線)を動くときに、関数の値w=f(z)がどのような図形(写真では赤い線)を動くのかを、さまざまなrに対して観察し、w=0となる、つまり、赤い線が原点を通るようなrが必ずあることの雰囲気を感じました(写真3)。
また、関数f(z)が2次式のときは値の赤い線はクルクルっと2回転、3次式のときはクルクルクルっと3回転するのですが、その理由を e^iθ を用いて説明して、今日の講座を終了しました(写真4)。
(小澤 嘉康)


(写真1)


(写真2)


(写真3)


(写真4)

  【参加者の声】


 中3 羽片創君
いきなりオイラーの公式が出てきて面喰らったが、指数法則の拡張の話をきくとわかった(気になれた)。
自然対数の底eをiπ乗すると-1になるというのが、とても印象に残りました。
今までの色んな定理が一つにつながっていくのがとてもおもしろかったです。

 


 中3 梶原尚之君
今回のリレー講座の目標である「複素数を知る」ために、今の自分には未知であり、まだ学習していない三角関数などのツールを使ったため、理解するのにとても苦労した。
しかし、今回の講習で、分からないながらも、手探り状態だが複素数というものを知った。その行為を経て、代数というものが何なのか理解が出来たと思う。
特に最終日の講習では、数学が求めているのものを理解できた(気がする)。

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