2012年08月23日 アーカイブ

 地学 栃木巡検旅行2日目(8/23)

 2日目は盛りだくさんの内容でした。まず住友大阪セメント栃木工場を見学しました。ここでは,セメント作りの行程と木質バイオマス発電所を案内していただきました。日本の鉱物資源である石灰岩をどのように利用しているかや,工場の自然環境への配慮とその対策を教えていただきました。その後,近くにある棚田(ここのは沢田という)を案内してもらい,棚田を巡る農業の大変さや問題などを,実際に棚田を管理している方の話も聞きながら教えていただきました。途中,沢沿いに色々な岩石や生き物を観察することもできました。最後は,住友大阪セメントの唐沢鉱業所を見学させてもらい,ダイナミックな鉱山の採掘の様子とズリから鉱石(石灰岩)を採集させていただきました。夜は,あきやま学寮という所に宿泊し,古代生活体験をさせていただきました。地学という純粋な学問分野だけではなく,それと我々の生活がどのようにつながり,またどのような問題がそこに散在するのか,少し垣間見ることができたのではないでしょうか。これは,現地に出向いて経験したものがわかることで,本やTVでは理解しにくいところだと思います。おいそがし中,お付き合いいただいた住友大阪セメントの方々,棚田を案内して下さった方々,どうもありがとうございました。


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住友大阪セメントで会社の概要やセメント生産について講義を聞く生徒

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 第3回数学科リレー講座「複素数の世界」3日目

三日目の今日は前半戦のハイライトである「複素数の掛け算の図形的な意味」(いわゆる、ド・モワブルの定理)の紹介がテーマ。担当は小林先生です。まずは、初日に用いられた題材を今日のテーマの伏線とされました(写真1)。巧みなストーリー構成を感じます。前の走者との好連携を思わせ、こういった点がまさに「リレー」講座のよさでありましょう。
演習問題は、この二日間の内容の理解に重点をおかれ、中学生に不安を感じさせない配慮がみてとれます。中1生もそれに応えて、cos135°やsin135°の値を難なく答え、この二日間の内容の理解が十分であることが伺えます(写真2)。そして、極形式の紹介に話は入りました。いよいよ、本題というわけです。
360°を越える角のcosやsinの値についても違和感はないようで、中学生諸君の柔かな頭に舌を巻くほかはありません。まさに「鉄は熱いうちにうて」を実感します。
ところで、ややもすると、「おはなし」に終始するのでは?と思われがちなリレー講座ですが、授業内の演習にも十分時間が用意されています。とりわけ、今日の小林先生はその点を配慮され、だからこそ、今日初めて聞くテーマについて問われても躊躇することなく答えられる(写真3)のも納得というものです。
十分な演習と具体例の考察を経て、いよいよ、数学史上、有数の大定理であるド・モワブルの定理が登場。
ところで、小林先生のテキストによれば、このド・モワブル卿。フランスの数学者で1667年に生まれ、1754年に没したそうです(写真4)。また同先生によれば、ド・モワブル卿自身は三角関数に興味があり、今日いわゆる「ド・モワブルの定理」と称される表示に整理したのはC.F.ガウス(ドイツ・1777-1855)だそうで、編集子には大変に勉強になりました。
さすがに、今日初めて聞いたこの定理について、全員が感嘆の声をもらしたわけではありませんが、それでも中1の生徒を含め、何人かは感心しきりでした(写真5)。彼らはこの定理に「なにか」を見たのかもしれません。
とにもかくにも、極めて順調に前半戦が終了しました。
後半戦は、複素関数の具体例の紹介(4日目)、リーマン面出現(5日目)、代数学の基本定理(最終日)と続きます。(数学科)

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(写真1)

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(写真2)

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(写真3)

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(写真4)

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(写真5)


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