2010年11月 アーカイブ

 模擬国連出場!

 11月13・14日の両日,国連大学で行われた全日本高校模擬国連大会に,高校1年の大村崇寛君,吉田敬士君が出場しました。

 


玄関前の2人

 


 この大会に出る前には1次審査があり,英文エッセイと日本語論文の審査を経ているため,どの学校も強豪揃いです。というのも,ここに集まってきた51の学校は,この大会で表彰される団体が出場を許される全米高校模擬国連を目指しているのです。
 
 各チームには国が割り振られます。わがチームにはガーナが割り振られました。
ガーナの大使として,ガーナの国益に適った国連決議案を通すために会議で交渉するのが目的になります。議題も決まっています。「安全保障理事会の議会席拡大と衡平配分および関連事項」です。
 
 会議の多くの時間は各国大使の英語スピーチ,ならびにunmoderated caucusと呼ばれる座席を離れての日本語使用の直接交渉に費やされます。この場面で,2人はさまざまな国の大使達と交渉を重ね,ガーナのために努力をしました。

 



caucusの様子

 


 2日間に渡る約9時間,粘り強く交渉したものの,残念ながらガーナが名前を連ねた決議案は承認されませんでした。しかし,2人はガーナの国益のため会議場を動き回り,本当に力を入れて交渉を続けていました。
 
 審査の結果,全米大会への切符は手に入りませんでしたが,この大会は2人にとってとてもよい刺激になったはずです。自分の主張を通すためには,どのようなスキルが必要なのか。他者との交渉力の必要性を肌で感じたはずです。
 
 会議中,英語を使う場面は確かにありますが,直接交渉の中では,日本語を使います。そのため,この大会で重要なのは語学力というよりは交渉力が鍵のように感じました。そのようなこともふまえて,来年もまた,海城生の中からアメリカ行きを狙って生徒が出場してくれることを希望します。大村君,吉田くん,お疲れ様でした。

 


2人のカードとの写真

 

 
                     高1英語担当 渡邊

 2010年度 中学地学野外実習〜沖積地の地質と地盤沈下現象

 11月1日(月),毎年,理科(地学)で行っている中学生の希望者を対象とした野外実習が行われました。今年度は,少し趣向を変えて,我々に身近な都市の地球科学を勉強しようと,テーマを沖積層の地質と地盤沈下としました。東京の低地を作っている沖積層は,地質学的にはごく最近の地層で,あまり固まっていないため,地下水の過剰揚水などが原因となり地盤沈下を起こしています。今回,実際にビルが傾いたり,基礎がしっかりした建物が浮き上がったりするのを自分の足で歩いて見学しました。言われてみないと見逃してしまうものですが,そこがポイント。人間の感覚では気づかないところから,自然のバランスは崩れていくこともあります。実際に目で見て学んだ貴重な経験を,様々な方面に生かして欲しいです。この後,11/4(木)には,野外でのまとめの事後指導も予定しています。

                                                   理科・地学科


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新宿に集合し,まずは国会議事堂前の岩石を見に行きました。

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国会議事堂の門の壁。石材によく使われる花こう岩。議事堂そのものは中国地方の花こう岩だそうです。こんなところにも地球科学が隠れています。

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次に,日本水準原点を見に行きました。日本水準原点とは,日本の高さの基準となると点で,ここを出発点にして,日本各地の土地の相対的な標高が決められています。

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江戸城桜田門にも昔の水準点の名残があります。

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その後,徒歩で新橋方面に移動しながら,地盤沈下で浮き上がったビルを見学し,実際の変位量を測定しました。階段はビルが浮き上がったため,跡で設置されたものです。

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地盤沈下で傾いたビル。写真だと難しいですが,わかりますか?ビルとビルの間のすきまに注目してください。真ん中の青いビルの右側の間隔がありません。

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こちらも地盤沈下で浮き上がった施設です。同じく地盤沈下による浮き上りで設置されたものです。ここでも変位量を測定しました。1m以上のずれも!

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建物に近づくと,階段設置後も沈下でずれている様子がわかります。ひびが入り,小さな段差ができているのがわかりますか?

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